2019/11/06

最愛のトッティ、いつまでも愛してる、そしてありがとう。


今日は最愛のトッティのことについて書きます。もうすでにご存知の方も多いかと思いますが、9月10日、ひとりむすこトッティを安楽死という形で永眠させました。享年10歳、あと2週間で11歳になるという、ほんのちょっと手前でトッティは安らかに旅立ちました。



トッティはここ2年くらいずっと、大型犬や老犬によく見られる変形性脊椎炎という、脊椎が変形してくっついていってしまう病気をわずらっていました。そしてもともとあまり胃腸が強い子ではなかったのですが、加齢もあって、気をつけてあげていないとちょっとしたことでも下痢をしてしまったり、消化機能が弱ってきていました。腰の痛みのせいで、お散歩も長くできなくなってきていて、カイロプラクティック医師の指導のもと、お散歩のあとの背骨のマッサージは欠かせず、そして痛み止めを飲ませる生活が続いていました。痛み止めなしでは動きつらくなっていたのです。長くお散歩ができなくなっても、日中眠ってることが多くなっても、トッティが可愛くて可愛くて…ここ1年半、カイチョ、母の看病で日本へ行くことが多く留守しがちだったので、ミュンヘンにいるときは1秒でも長くトッティとの時間を大切に過ごしていました。

4月におふくろさんが緩和ケア病棟にはいっていたとき、じつはトッティも緊急入院しました。理由はひどい血痢です。幸い、うちの奥さんがふんばって40キロのトッティを運んでくれて、クリニックの先生たちの治療の甲斐もあって回復に向かい、3日目には退院できたのですが、カイチョは遠いニッポンでおふくろさんにつきっきりで、トッティが苦しい時にそばに居てあげられないことが心配だったし悲しくて…この入院の前後から、坊やは少しずつ弱ってきていたのではないかと、今思います。 




体調が急変したのは9月7日、土曜日。前日から奥さんがダブリンに里帰りしていて、カイチョとトッティはルンルンふたりきりの週末のはずだったのです。6日の夜は元気いっぱいで、奥さんを駅まで2人で見送って、家に帰ってくるなり早く晩メシくれとせがまれ、何回も何回もカイチョのところに来てほっぺをベロベロ舐めるトッティ。最近、坊やがわざわざカイチョのところまで来てほっぺにチューをしてくれることがなかったので、カイチョはなんでだろ?と不思議に思いながら嬉しくてしょうがなかった。

7日の朝はいつものようにゆっくりお散歩、でもおしっこ回数が少なく。変だなとはふと感じたけど、あまり気にもしませんでした。その日の午後、なぜか震えているトッティ。腰が痛くて震えてるのかな、と心配で違う痛み止めをあげる。夕方は散歩にいきたがらない坊やを引っ張り出したが、おしっこもしない…夜はいつもカイチョと寝室で寝るのに、この日は部屋に来たがらず坊や廊下で寝る。



9月8日 日曜日。朝からざんざんぶりの雨。散歩にだしても、アパートのドアの前から動かず、座ってしまい、断固散歩は行かないという姿勢。うんちもおしっこもしない。「トッティ、おしっこぐらいださないとだめだよ!」と、はじめてトッティの様子がおかしいことに不安になりはじめる。今日は一日眠って、夕方も散歩に出ない。カイチョの不安が募っていく。というのも、母の死ぬ数日前からおしっこが出なくなって意識障害がではじめたので、それがまだ記憶に新しいカイチョはなんとなく嫌な予感がしたのです。おしっこだけは出さなくちゃヤバイ…この日もトッティは廊下で就寝。



9月9日 月曜日。トッティ朝から最悪のコンディション…意識障害がでていて歩けない。歩いたとしても、どっかの酔っ払いみたいに千鳥足でフラフラしていて、よろけてしまう。こんなに弱っているトッティをみたことがない…なんとか、おしっこだけでも出させたいとおもって外にだすけど、結局でず。獣医のレギーナ先生に連絡すると、午後2時すぎ、家にきてくれる。体温を測ると36,9度という犬にとっては低体温。とにかくトッティを温めてあげるようにと言われて、毛布や湯たんぽをつかい午後中ずっとそばで温める。このときすでに、レギーナ先生が「かなり厳しい状態だから、安楽死のことかんがえておいて」とさらっと言われる。カイチョにとっては、何を脅かしてんだこの獣医は‼️とちょっとムカつきながらも、「えっ、どういうことだろう」と、安楽死という言葉を聞いて、坊やが半端なく深刻な状態だとやっと理解する。5時過ぎ、もう一度外に出すことを試みるが、玄関先でどすぐろい血痢してしまう…そのまま坊やが座り込んでしまったため、足と体だけ拭いてあげたら、ベッドに戻ってまたコンコンと眠ってしまう…なにが坊やの体におこっているのかわからない。



夜7時過ぎ、診療を終えたレギーナ先生がまた家にきてくれる。体温は38度越えいって回復したが、先生がいる間、血痢を何回もしてしまう。先生は、今すぐにでも病院に連れて行かないと命が危ないと、カイチョとふたりで40キロの坊やを運ぼうとしたのだが、とてもじゃないけど重いし動くしで運べない…「怪力の奥さんが帰ったらすぐ運ぶから、病院にトッティの状況を伝えて受け入れ体制整えておいてくれ」とレギーナ先生に電話してもらう。カイチョとトッティは奥さんの帰りをひたすら待つ。

夜10時半、やっと奥さんが帰ってきた!突然のことに真っ青な顔した奥さん、そのまま坊やを抱きかかえて車でTierklinik (動物病院)へ運ぶ。11時半に到着しそのまま血液検査、超音波検査、レントゲン検査をするトッティ。検査の結果、胃や大腸からの出血がみられ赤血球値が通常20以上なければいけないのに9まで下がっている、これによりヘモグロビンが減少し体に酸素が運ばれなくなってしまってる…。クリニックの先生に、「この赤血球の低数値、トッティがまだ生きているのが不思議なくらいだよ」と言われる。果たして今夜、トッティが生きのびれるかはわからない、と言われたが、とりあえず入院させて救急処置をお願いする。坊や、辛いのに夜そばについてあげられなくてごめんね…カイチョも奥さんもわんわん泣きじゃくる。





先生からは2つオプションがあるといわれ、まずは安楽死を強く勧められる。もうひとつは血液を全部入れ替えるというオプション。ただこの輸血をすると、①内臓出血がとまらないかぎりは輸血しても血が外に出てしまうから、数値がたとえ一時的に良くなったとしてもトッティが1日もつか、3日もつか、1週間もつかはわからない  ②治ったとしても脊椎炎の痛み止めが当分使えない = トッティは痛みに苦しみ寝たきりになってしまうだろう。
 
こんな究極の選択をすぐにしろというのか…。





9月10日 火曜日。朝、病院からなんとかトッティが持ちこたえたくれたと電話!坊やは生まれた時からサバイバーだったから生き延びてくれると思っていた!朝10時にトッティに会いにいき診察室で待っていると、坊やはフラフラで歩けないはずなのに、看護婦さんにハーネスで支えてもらってゆっくりヨタヨタ歩きながら部屋に入ってきた!そしてカイチョと奥さんの姿をみるなり嬉しそうに力を振り絞ってシッポをパタパタ降ってくれた。こんなに辛い体なのにひとりにさせて昨夜はどれだけ心細かったろう、と、ボウヤを思い切り抱きしめて涙がとまりませんでした。


究極の決断はクリニックの先生とトッティが大好きだったレッギーナ先生と相談して、カイチョと奥さんとレッギーナ先生で、自宅で安楽死させることにしました。安楽死をとるにあたって、カイチョも奥さんも泣きに泣いて悩みました。考えてもでる答えは決まってるのに、これが果たしてほんとうに正しい決断なのかと、何回も何回も自問し考えましたが、どの先生方も口を揃えて、「犬の幸せは、大好きな飼い主さんと外にお散歩に行って、自分の力で排泄をして、食事をして眠ること。ワンちゃんの痛みや苦しみを人間のエゴで長引かせてはいけない。痛みや苦しみから解放してあげるのは、飼い主さんがワンちゃんにあげられる最後の愛だよ」と言われ、その言葉を信じ、最終決断にいたりました。



もう自力で歩けなくてオムツをした坊やをお昼過ぎに自宅に抱きかかえて連れて帰り、その日の午後はカイチョと奥さんとトッティ家族3人で一緒にリビングで過ごしました。あまりにもお天気のいい日で、トッティのそばで寝息を聞きながらいつもと同じようにふたりで幸せな昼寝をし、いつもと同じように過ぎていくような午後でした。こんな日常の小さな幸せがもう明日からはぱったりなくなってしまうと思うと、言い表せない悲しみに襲われ胸が苦しくなりました。トッティはお腹が空いていて、ご飯をあげるとぺろりといつものように平らげる…こんなに食欲旺盛なのになんとか他に助けられる方法はないのかと、やはり最後の最後まで悩み考えてしまう…。

夜7時、レッギーナ先生がやってきました。先生が入ってくるやいなや、トッティ、見たこともないようなアグレッシブさで吠えかかりました。まるで、なぜ彼女がきたのかわかっているような感じでした。7時半、トッティはケタミンという薬で深い眠りに。カイチョと奥さんはまだ動いているトッティの心臓の上を指で10秒くらい撫でながら、坊やの最後の鼓動を感じさせてもらって、そのあと先生が心臓に注射を打ち、19時35分トッティは永遠の眠りにつきました。トッティが10年間暮らした家のリビングの自分のベッドで、カイチョと奥さんと大好きなレギーナ先生のたくさんの愛につつまれて、安らかに旅立ったと思います。



トッティはカイチョと奥さんにとってかけがえのない宝物でした。この10年間奥さんとカイチョの人生には山あり谷ありでたくさんのことがあって、どんなときにもずっとそばにいて見守ってくれたトッティ。トッティにたくさんのことを教えてもらいました。トッティをつうじてたくさんのワンコ仲間たちにも出会えました。なによりもトッティからたくさんの愛をもらい、愛を学びました。トッティ、カイチョたちのところにきてくれてありがとう、いつまでもいつまでも愛してる、トッティを忘れないよ。


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