2010/04/14

春なのにお別れですか、元カノへの恋文 ーKちゃんの場合ー

親愛なるKちゃん

Kちゃん、かいちょがKちゃんに「カイチョのくまちゃんのぬいぐるみを返して」って言ってから◯◯年という月日が経ってしまいました。その後どうしてるかな、お元気ですか?あのくまちゃんは結局ミュンヘンまで一緒にきたんだけど、ほこりで真っ白になったからずいぶん昔にすてちゃったんだよ。

Kちゃんは、かいちょのおつきあいした数多きカノジョのなかで、一番印象にのこってるよ。Kちゃんはなんでいつも会うたびに、「神の国」と三島由紀夫の切腹のことばかりはなしていたんだろうな。すらっと細身で背が高くて、なぜか昼でも夜でもかまわずグラサンかけてて、雨の日は必ずピンクのビニ傘をさして、かいちょの大学までお迎えにきてくれたよね。四ッ谷三丁目の、牛タン屋はうまかったね。いまでも、あの牛タン屋ってあるのかな?

渋谷宇田川町の、4畳半しかなさそうな、ソファがひとつぽつねんとダンスフロアにおいてある、アングラなクラブにもつれてってくれたよね。そしてかいちょに「神の舞」と称して、インド舞踊みたいな、足がもつれるくらいの踊りを、テクノにあわせてみせてくれたよね。あの踊りには、かいちょの開いた口が塞がらなかったけど、きみのテクノ好きを、あのとき身にしみて感じたよ。あのちっちゃくて、いけてたクラブ、きっともうないんだろうね。

Kちゃんは、とっても心がやさしかったね。かいちょが桃が大好物だといえば、「M大前の駅前においしそうな桃が売ってたから」って、袋一杯の桃を買ってきてくれたっけ。渋谷でのデートのときに桃の袋を渡された時ははとてもうれしかったけど、あの桃のふくろがすごく重くって、終電間際のぎゅーぎゅー電車のなかを持って帰るのは苦労したんだよ。Kちゃんは、その晩一緒に食べたから〜いタイ料理でおなかがぎゅるぎゅるになちゃって、さよならも言わずに渋谷の街から桃のふくろをかいちょにおしつけて、原付ですっとんで帰ってしまったんだったよね。あの桃、おいしかったよ!

それからKちゃんのくれたわけのわからないレーベルの、きんきんテクノのCDは、ちゃんとミュンヘンまで持ってきて、いまでもときどき聞いてます。「ベルギーとドイツはヨーロッパの核だ」って宣言してたKちゃん、かいちょがいまドイツにこんなにどっぷりつかって生活してるなんて、知る余地もないんでしょうね。

Kちゃんもきっといい仕事について、いい人がみつかって、幸せな人生送ってると思います。もういい歳のおばちゃんだよな。いつか将来、もしもトーキョーでかいちょをみかけたら、声をかけてください。


あまずっぱい思い出のKちゃんへ

カイチョより


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2 件のコメント:

  1. こあらくん2010年4月16日 9:33

    なつかしいねえ。Kちゃん。大学の前のカフェにひょろーっと二人で現われた日も雨で、ピンクのビニ傘片手だったなあ。みんな楽しくしてるといいねえ。

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  2. ふくかいちょ2010年4月16日 21:45

    かいちょ、桃の話はライブで聴かせてもらいましたが、いつ聞いても読んでも爆笑ものです。忘れられない甘酸っぱい恋って、ありますよね!Kちゃんは今頃どうしてるんでしょうかね…。

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